金型メーカーC社 製造部

競争激化…金型製品のさらなる短納期対応を目指したい!工作機械はそのままに、加工能率も加工精度も大幅アップできた秘策とは

C社では、主として自動車部品メーカー向けのプレス金型の生産を行なっている。金型業界で競争力を維持するために、製品の精度と迅速な納期対応が必要不可欠となっている。

課題

金型の短納期納品に向けて研削能率の向上を目指したいが、現状の設備では難しい

ライバル社との競争が激化するなか、C社ではより短納期での納品を目指し、対策を検討していました。

当初、製造部では、切り込み量をより大きくして研削能率を上げる方法を考えましたが、現場を調査した結果、現状の設備・工法のままではそれは難しいとわかったのです。そこで、能率アップに寄与する加工用設備を追加導入することも検討しましたが、工場内に設置スペースを取ることができず、予算的にも厳しいとの判断で断念することになりました。

納期短縮への施策が進まず、製造部のY氏は現場にヒアリングを行ないました。するとそこから、研削機械のメンテナンスに時間をとられているという声が聞かれたのです。 「特に削りかすによる目詰まりで切れ味が低下しやすい砥石については、作業の節目ごとにドレッシングを行なうため、かなりの時間的ロスとなっているようです」(製造部・Y氏)

金型の“反り”が原因で歩留まりが下がり、品質の精度が安定していない

さらにC社は、品質の面でも大きな課題に直面していました。完成した金型製品に“反り”が発生することで一定数が不良となり、ここ数年は歩留まりが下がってしまっていたのです。このことで、品質が安定しないだけでなく、生産のやり直しによって従業員の残業が増え、人員募集を検討したものの思うように人を集めることができずにいました。

課題のポイント

  • 金型製品の短納期納品のため研削能率を上げたいが、現状の設備では難しい

  • 金型の“反り”による不良によって歩留まりが下がり、品質を保つことができていない

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